先日施工したキッチン他に続き楢柾のテーブルを製作納品いたしました。デザイン設計は手嶋 保さんです。
W2700×D1200×H700の大テーブルで4F搬入の為に天板を二分割で製作し現場にて接合しています。
今回も楢柾材を使用していますが、近年におけるロシア楢材の供給制限により材料高騰と良材の不足に今後ナラ材でこのような長い材料を確保することが大変難しくなっていくと思われます。
その為、今後使用する材料にホワイトオークで対応していくことも視野に入れていかなければならず、木目の繊細なナラに対して大味なオークというような単純なことだけでなく、木材(干割れの多さ、柾目材は無い)としての性質が製作サイドからすると大変大きな問題だということとして捉えていかなければなりません。
最近の家具丁番は、取付や調整が楽で安価なスライド丁番を使用する事が一般的になりつつあります。
それは家具製造に関わる効率やコスト、職人のレベルに関係なく取り付けられること、さらに金物メーカーの製造コストや需要にも関係しているからだと思われます。
大概はスライド丁番を使用するのですが、時に精密丁番(真鍮製)を用いることで素材感や収まりのディテール、扉を開く時の精緻さに、表面上ではない質の豊かさを感じる事が出来ます。
今の時代、段々この様な高価で取付の面倒な真鍮金物は無くなる傾向がありますが、自分が大切と思うモノや手先から伝わる質感は可能な限り表現していきたいと思います。