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楢材の長椅子とテーブル製作(意匠設計/手嶋保建築事務所)

今回は楢材に鉄媒染を施しました。

木製家具には表面を保護するという何かしらの塗装が必要であり、ラッカーやウレタン塗装を施して汚れずに長持ちすることが元来良しとされてきましたが、反対に味わいを失うという側面もありました。

しかし、ここ最近は自分自身もそうであるように、均一なモノに魅力を感じることが少なくなってきて素材本来のムラやプレーンな質感表現に重きを置くような感覚になってきたと思います。

物質としての価値、新しいものと古いもの、もっと自由に生活の道具として使うことに今の人たちは寛容になってきているので、この様な仕上げに対してもすんなり受け入れて喜んでもらえる。

石化したかの様な表情をまとい設置するまでは正直不安さもありましたが、空間に非常に馴染んでいましたのでこれが正解だったのではないかと思います。

 

物を捉える時に、家具製作をする身としては光を非常に重要視している。

平面図から窺い知る見えがかりや光の回り方などを思考しながら、空間を通して家具を見たときに一番しっくりくるように木目や木味などを選択し木取りをしている。

陰影が家具としての質感を高める要素になり、光が空間の豊かさを表すものであると思っているからである。

本年最後に、このような光の質が豊かな建築の家具製作に携われたことに非常に感謝しています。。。

建築設計・家具設計/手嶋保建築事務所

 

昨日、納め終わった現場の家具たち。。。

製作から塗装まで一貫して仕上げているが、今までの作業とはかなり違う感覚に囚われたのはこの色彩によるところが大きい。

『インディゴ、ネイビー、藍色』、そのどれとも言い難い色味。

ラワンという素材にオイル仕上なのだが、何となく帆布を染色しているイメージがつきまとう工程に納めるまでは正直想像できてなかった。

しかし、今迄に無いタイトな製作時間もこうして納め終わり撮影する頃になるとやっと納得できた気がした。。。

空間と家具の調和、未知の領域、達成感、やはりこの仕事は面白い。。。

建築設計・家具設計/手嶋保建築事務所

 
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