独立して間もない頃にデザインした椅子は、もう長いこと何十脚と作ってきたが、ある時から数えるのをやめた。
数を積み重ねるよりも、淡々と同じ精度で、同じ仕上がりで作る事に重きを置くようになった。
そんな変わらない作業は、最近の仕事の流れからすると高速道路から急に自転車の景色に変わるぐらいの速度感である。
頭よりも指先に神経を張り巡らして摩りながら撫でながら、カンナや切小刀を駆使して創り上げていく。
畳み掛けて作れないからこそ自分と向き合う時間が手に入る思っている。
先日デスクを納めた御宅に引き続きダイニングテーブルとTVボード、上吊収納をもう少しで納品します。
打ち合わせから図面を引いて自身の美しいと思うバランスで製作できた事は非常に感慨深いです。
形態から醸す雰囲気が、既存のYチェアとも違和感なくこれからの時を静かに刻んでいく事でしょう。
この心落ち着く感じは、やはりいいなと思う。。。
(ナラ柾目w2100×d870×h700)